キャリアパス制度を意識しよう
キャリアパス制度とは仕事をして行く上での道筋のことで、目標とする資格やキャリアまでをどのような経験が必要で、どのような順序で進めて行けば良いのかを表した、つまりキャリアアップの道筋のようなものです。業務における能力、技術、保有資格を明確にすることで評価基準が見えて来ますし従業員の方がどのようなキャリアアップを考えて働いているのか、もしくは働きたいのかがわかると、やみくもに昇格を待つよりも、目標を持って働くこと、その目標に近づくことがモチベーションを上げてくれます。キャリアパス制度についてもう少し詳しくご紹介します。
人材不足や離職率を軽減するため
2013年4月の制度改正までは介護職のキャリアパスは体系化されていませんでした。キャリアアップの見通しが不透明なことが多く、将来性を見出すことが出来ずにいたため、介護職の離職率は高く慢性的な人材不足に悩まされていました。高齢化が進み2025年には現在の2倍以上の介護職員数が必要だと予想されています。介護職員の人材確保定着を計る目的として介護資格のキャリアパス制度が導入され体系化される運びとなりました。
上位の資格が介護福祉士
介護職の唯一の国家資格が介護福祉士です。介護福祉士になるためにはホームヘルパー1級、2級、介護職員基礎研修など状況によってスタートがバラバラでした。キャリアパス制度を導入することにより一本化をして、介護職員初任者研修の次のステップが実務者研修、その次が介護福祉士と上位資格を目指す道のりが明確化されました。
介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修とは介護職の入門のような資格です。ホームヘルパー2級に相当する資格で、介護についての最低限の知識や技術を習得して介護の現場で実践するための考えを身に付けます。受講資格はなく、無資格、未経験の方でも受講することが出来ます。研修内容は講義と実習で構成されていて講習の合計時間は130時間ですので通うことが出来れば約1ヶ月で修了することが出来ます。
実務者研修とは?
介護職員初任者研修の次のステップとして上位に位置する資格でさらに高い知識や、技術の取得が目的とされています。医師や看護師にだけ許されていたたん吸引などの医療行為が行えるようになります。既に取得されている資格があると講習時間が一部免除になることがありますが、基本的には450時間以上の講習時間が必要となります。
介護福祉士とは?
介護資格の唯一の国家資格です。この資格を目標としている介護職員も多く、事業所によっては手当てが付くこともあります。管理職や現場の責任者として働くことも出来ます。一度取得すれば有資格者として資格がなくなりませんので復職や転職にも有利な資格です。受験資格は3年以上の実務経験と実務者研修を修了していることです。